英検1級の語彙で正答率86%|TOEIC970の僕の英単語の覚え方
こういった悩みにお答えします。
僕はTOEICで970点(リスニング満点)を取ったことがあり、英検1級は何度も受験して、一次試験に合格しています。合格した回の語彙セクションは、正答率86%(22問中19問正解)でした。
でも、最初からそうだったわけではありません。TOEICとくらべて一番差を感じたのが、語彙でした。この記事では、その差をどう埋めて、今どう続けているかをまとめます。
英検1級を受ける人だけでなく、語彙力を上げたい人にも参考になると思います。
TOEIC970でも、英検1級の語彙は別物だった
最初は英検1級の単語をナメていました。『でる順パス単 英検1級』で自分の語彙を厳しめに測ってみると、よく出る単語はほぼ知っていたものの、難しい単語(でる度C)は700のうち376、熟語は300のうち132でした。
そこから約3か月の再テストで、でる度Cは648、熟語は278まで上がりました。このときの細かい点数や採点のルールは、別の記事にまとめています。
英単語を長く覚えておくコツ:間隔を空けた復習(分散学習)
結果には満足しましたが、長期の記憶に残すには、そのあとも続けることが大事だと考えていました。
これは学術的にも裏づけがあります。184本の論文・317の実験をまとめた分析では、まとめて一気に学ぶ場合と、間隔を空けて学ぶ場合の違いが調べられ、覚えておきたい期間が長いほど、最も記憶に残る復習の間隔も長くなることが示されています(※1)。
さらに、1,350人以上を対象にした実験では、事実を覚えてもらい、最大3.5か月あけて復習、そのあと最大1年後に最終テストをしました(※2)。復習までの間隔は、長くするほど最初は成績が上がり、長すぎると少しずつ下がりました。
一番良い間隔は、テストまでの期間が長いほど長くなり、テストまでの期間に対する割合で見ると、1週間後のテストなら20〜40%、1年後のテストなら5〜10%でした。研究者は、多くの教育のやり方は非常に効率が悪いと指摘しています。
短い期間に詰め込んで終わりにするより、間を空けながら長く続けるほうが残りやすい。単語の暗記も同じだと考えて、続けてきました。ここからは、僕が実際にやってきたことを順に紹介します。
英単語を覚える前に:自分の語彙を厳しめに測る
語彙を増やす前に、僕がまずやったのは、今の自分の語彙を厳しめに測ることです。
測るときは、次の3つのルールを決めました。あいまいな語は勘で答えずに「知らない」に入れます。
しっかり覚えるためには、最初の仕分けを厳しめにしたほうがいいと考えたからです。
語彙力を上げるために組み合わせた3つ(単語リスト・単語本・アプリ)
一次試験に合格するまでは、1つの教材に絞らず、複数の単語本とアプリを使いました。ここ1年で使っているのは、次の3つです。重要視している順に紹介します。
1. 自分の単語リスト:自分のやり方で
一番重要視しているのは、自分の単語リストです。単語本やアプリでの学習に加えて、自分でも単語をリストにして管理し、自分のやり方で取り組みました。
以前にも、X(旧Twitter)のスペースで話題になった語を107語のリストにまとめ、1語ずつ辞書で確かめたことがあります。教材だけに任せず、自分の手でも語を集めて管理する。これは今も変わらない僕のやり方です。
2. 単語本:ここ1年は文単
単語本は1冊ではなく、何冊か使いました。ここ1年は『文単』が中心です。
単語本を何冊も使うと、同じ単語が何度も出てきます。僕はこれを損だとは思っていなくて、むしろ覚えるうえで有利だと考えています。
3. 単語アプリ:今もほぼ毎日
スマホの単語アプリも使っていて、今もほぼ毎日続けています。アプリの良いところは、スマホで手軽に学習できることです。
使っているのは、案件で紹介させていただいたこともある「モチタン」です。
英単語の覚え方の基本は「あの手この手で、何度も」
単語を覚えるときの僕の基本は、「あの手この手で、何度も」です。同じ語に、別々の入り口から何度も出会うようにしています。
- 実際の使われ方を調べる:辞書(Weblio・Oxford・LONGMAN)や、動画の中の使用例を探せるYouGlish、Googleの画像検索で確かめる
- 人と話題にする:X(旧Twitter)のスペースで英検1級の単語を話題にする会を開き、「これ覚えられない」「最近どこかで実際に使われていた」「こんな語呂合わせで覚えた」と話す
- 例文ごと読む・聞く:とくに熟語は、熟語だけを見るのではなく、例文と一緒に覚える
X(旧Twitter)のスペースで取り上げた語は、僕自身かなり覚えられた実感があります。
これにも研究の裏づけがあります。
外国語の単語を覚える実験で、覚えた内容を自分で思い出す練習(想起練習:テストの形でくり返し思い出すこと)が、学習が定着するうえで決定的に重要だと示されています(※3)。
一度覚えた単語を、そのあと見直すだけをくり返しても、後日のテストの成績は変わりませんでした。一方で、思い出すテストをくり返すと、大きな効果がありました。
同じ研究では、大学生でさえこのことに気づいていないようだ、とも書かれています。
ただ見直すより、自分の頭から語を思い出すほうが効く。人と話題にするときも、自分から語を出して使うので、自然とこの「思い出す練習」になります。
英検1級の語彙の中には、ふだんの会話ではあまり聞かないものもあります。それでも、英検1級の語彙はニュースのような書き言葉と相性が良いと感じますし、試験に出る以上、押さえておく意味は十分にあります。
英検1級の一次試験:語彙セクションの正答率は86%
一次試験に合格した回の語彙セクションは、22問中19問正解、正答率にすると86%でした。
ただ、手応えがあったのは合格した回だけではありません。不合格だった回も含めて、語彙セクションは安定して手応えがありました。語彙の学習を続けるうちに、正答率が安定しただけでなく、解く速さも上がりました。
最初にパス単で測ったとき、難しい単語は半分ほど、熟語は半分にも届きませんでした。そこから、毎回安定して手応えを感じられるところまで来ました。
今もほぼ毎日、語彙の勉強を続けている
一次試験に合格したあとも、語彙の勉強はほぼ毎日続けています。
自分の単語リストを作って、復習の間隔も管理したい人は、このサイトの単語暗記カードも使えます。覚えた度合いに合わせて、次に出す日を自動で決めるツールです(無料・登録不要)。
まとめ
- TOEIC970でも、英検1級の語彙は別物だった
- まずは今の語彙を、あいまいな語を「知らない」に入れて厳しめに測る
- 自分の単語リスト・単語本・単語アプリを組み合わせる
- 使われ方を調べる・人と話題にする・例文ごと覚える、と入り口を変えて何度も出会う
- 合格した回の語彙セクションは正答率86%。不合格の回も含めて手応えは安定し、解く速さも上がった
- 今もほぼ毎日続けている
語彙を増やすときの僕のやり方は、「あの手この手で、何度も」です。まずは自分の今の語彙を厳しめに測って、弱い所を見つけるところから始めてみてください。参考になれば幸いです。
リスニングの記録はこちらの記事にまとめています。
出典
- ※1 Cepeda, N. J., Pashler, H., Vul, E., Wixted, J. T., & Rohrer, D. (2006). Distributed practice in verbal recall tasks: A review and quantitative synthesis. Psychological Bulletin, 132(3), 354–380.
- ※2 Cepeda, N. J., Vul, E., Rohrer, D., Wixted, J. T., & Pashler, H. (2008). Spacing effects in learning: A temporal ridgeline of optimal retention. Psychological Science, 19(11), 1095–1102.
- ※3 Karpicke, J. D., & Roediger, H. L. (2008). The critical importance of retrieval for learning. Science, 319(5865), 966–968.



